そこで、まず特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)の違い
についてご紹介します。
こんな方におすすめ
- 家族が入所できるのか、入所基準の違いを知りたい方
- 施設によるサービスに違いがあるのか知りたい方
- 入所した場合、施設による今後の方向性の考え方を知りたい方
以上のような方にわかりやすくご説明します。
この記事を読んでいただくことで
・自分の家族がどのような施設に入れそうなのか
・どこに入所してほしいのか
などが、少しわかるようになるかと思いますので、最後までご覧ください!
では詳しくご紹介していきます。
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特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)の違いは?
特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)は介護保険施設になります。
特養
身体介護や生活支援を受けながら長期にわたって生活する施設!
特養は長期にわたって入居し続けることができます。
特養は介護保険制度上では「介護老人福祉施設」と呼ばれます。
老健
在宅復帰に向けたリハビリを受ける施設!
老健は3~6ヵ月ほどの入居期間で退去することになっております。
施設を探す場合は、その施設が特養なのか老健なのか、事前にしっかりとチェックしておきましょう。
特養は入居という形で“終身”を目指す介護保険施設
特養は終身として余生を過ごす施設
特養は老健と同じく介護保険施設のひとつで、自宅での生活が難しくなった「要介護3」以上かつ65歳以上の高齢者を入居対象とし、入居後は原則として終身利用できる施設です。
お部屋のタイプを大きく分けると
- 4人部屋形式の「多床室」
- 全室個室の「従来型個室」
- 「ユニット型」
の3つのタイプがあります。
ユニット型は10人程で1つのグループを形成し、入居者のプライバシーを保ちながら、個別ケアを行う点が大きな特徴です。
特養は入居待ちをする待機者が多いことで知られていましたが、2015年の介護保険制度改正により入居条件が厳格化されたことで、待機者数は大きく減少した言われております。
入居できるまでの待機時間は地域によって差があり、短い場合は1~2ヵ月、長い場合は数年かかることもあります。
老健は入所という形で“在宅復帰”を目指す介護保険施設
老健は早期退所を目指す施設
老健は在宅復帰を目的に、リハビリを中心としながら医療や看護など包括的なケアサービスを提供する、介護保険施設です。
介護保険制度上の位置づけは在宅復帰施設であり、入居後は介護・看護など多職種で構成されるチームケアが行われ、できるだけ早期の退所を目指します。
医師、看護師が配置されているので、介護度が高く常時医療ケアを必要とする方でも、リハビリに取り組みながら、自宅での生活の準備が整うまで安心して生活できます。
また、入居者が自宅に復帰した後も、他のサービス機関と連携しながらサポートを継続できます。
病院などは、長期入院ができないように、制限されております。
そのため、以前よりも早期退院して、いただくことが現状多い状況です。
ポイント
今の状態では、自宅に退院することは難しいけど、もう少しリハビリなどを行える施設で良くなって帰ろう!という方には老健をおすすめしております!
入居の基準条件は介護保険の介護度によって決まる
特養は原則として要介護度3以上が入居基準
特養に入居するには原則として介護保険の要介護認定で「要介護3」以上の認定を受けていなければなりません。
入居年齢は介護保険の利用対象となる65歳以上からが基本ですが、特定疾病を患っている場合に限り40~64歳の方も入居できます。
介護保険の特定疾病について詳しく知りたい方は【何歳から適応?】介護保険とは?お金事情もわかりやすくご紹介!をご覧ください!
自宅で介護を受けられる環境が整っていないなど、緊急性が高いと判断された方を優先入居させていく場合があるので、入居できるまで年単位になってしまうことがあります。
認知症の方の入居については、暴力など現れている症状によって入居を断られる可能性があります。
ポイント
要介護3以上ということは、区分では高い区分の方になりますので、より介護が必要な方が特養に入居できるということになります!
要介護3はどのような状態の方なの?
要介護認定は要支援1~2、要介護1~5の合計7段階に区分されています。
数字が大きくなるほど介護度が高くなり、「要介護3」は5段階ある「要介護」の真ん中にあたる段階です。
「要介護3」の認定が下りるかどうかのポイントは、「立ち上がり時や歩行、食事、入浴、排泄のときに、介護者による全面的な介助を必要とするかどうか」という点にあります。
要介護1、2では、上記の行為における「部分的な介助」が必要。日常生活を送るうえで常時サポートが必要な場合に「要介護3」と判定されるわけです。
要介護3以上の例
- 寝たきり状態
- 全介助でないと生活できない
- 基本的に介助が必要
老健は要介護1以上が入所基準条件
老健における入居基準は、「要介護1」以上の認定を受けた65歳以上の方です。
老健は在宅復帰を目指す施設であるため、リハビリによって機能回復を行いたい方が入居対象です。
ただし特養と同じく、がんなどの特定疾病で要介護認定を受けている場合は、40~64歳の方も入居できます。
本人の容体が重いときは入居が難しいこともあるので、入居前に施設側にその点を確認する必要があるでしょう。
ポイント
施設による介護保険サービスの違いはリハビリ?
特養では、
- 食事、排泄、入浴といった日常生活の介助
- 健康管理
- 療養上必要となる世話
- 機能訓練
など、中度~重度の要介護者の生活を支援するサービスが中心です。
老健では自宅での生活ができるように、医師と看護師による医学的な管理の下で、リハビリテーションを重視した介護を受けることができます。
施設入所の方へのリハビリテーション内容とは?
入居者が早めに在宅復帰できるようにするため、どこの老健でも力を入れているのがリハビリです。
老健では、少なくとも週2回以上のペースでリハビリを受けることができ、施設側に申し出れば最初の3ヵ月については週3回のペースで利用することもできます。
1回あたりの時間は20~30分以内となっております。
- ベッドから車椅子への移乗訓練
- 自力での歩行訓練
- マッサージ
- 筋力訓練
など、実用性に富んだ内容を行っていきます。
自宅に戻ったときに生活しやすくなるためのリハビリを重視している点が、老健の特徴です。
ポイント
老健は、早期退所を目標にしているので、しっかりリハビリを行うことができるので、特養にない大きなポイントです!
入居・入所できる期間に違いがある
特養には入居期限がない
特養には入居期限はなく、終身利用が基本になるので、看取り介護まで対応している施設が多くあります。
長期にわたって入居生活を続け、できれば終の棲家にしたいと考えるなら、老健ではなく特養を探していくことになります。
ただ、特養は入居申込者が多いために待機者が多数発生していることも少なくありません。
すぐに入居できず、かつ待機期間中に在宅介護を受けることが難しいときは、特養のベッドが空くまでいったん有料老人ホームに入居するというのもひとつの方法です。
老健の入居期間は半年~1年3ヵ月程度
老健は在宅復帰を目指すための施設なので、入居後3ヵ月ごとに、自宅で生活を送れる状態になったかどうかが検討されます。
介護保険制度において入居期限が規定されているわけではありませんが、自宅で生活を送れる状態だと判断されれば退去しなければいけません。
厚生労働省によれば
2017年時における老健の平均入居日数は在宅強化型で203.1日、従来型では457.4日。
と老健の入所期間が短いことがわかります。
また、老健は在宅復帰率やベッド回転率などによって
- 在宅強化型
- 加算型
- 従来型
に区分されていました。
しかし、2018年に行われた介護報酬改定で在宅復帰率に影響を与えるリハビリ提供機能なども評価されるようになり、10項目の「在宅復帰・在宅療養支援等指示」の合計点数で「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他型」の5タイプに分類されるようになりました。
【徹底比較!】特養と老健の違い一覧表
特別養護老人ホーム | 介護老人保健施設 | |
---|---|---|
役割 | 長期間にわたって生活をする入居施設 | 在宅復帰を目指す入所施設 |
入居条件 | 原則65歳以上で要介護3以上 および 40歳から64歳の特定疾患が認められる方で要介護3以上 |
要介護1以上 |
サービス | 食事・入浴・排泄の介助、掃除・洗濯などの生活支援、機能訓練、レク、買い物代行など | 医療ケア、リハビリ、食事・排泄の介助など |
リハビリ | 週2回以上しっかりリハビリを継続できる | |
入居期間 | 終身利用可 | 3ヵ月ごとに入居継続を判断 |
入居難易度 | 入居待機者が多く数ヶ月以上待つ場合がある。 | 特養と比べると待機者は少なく比較的入居しやすい。 |
ポイント
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まとめ
ポイント
特養とは、長期に入居可能な施設であり、状態が重度の方におすすめの施設!
老健とは、リハビリを行って在宅生活ができるようにする少し手助けが必要な方におすすめの施設!
できれば、自宅にいさせてあげたい気持ちも大切ですが、ご本人様だけでなく、ご家族様全員が健康であり、ストレスを抱えないことが大切かと思います。
そのため、介護保険施設や介護保険サービスをうまく使っていただき、皆さんが笑顔で生活できるように過ごしていきましょう!
以上ケアコトでした。